川崎市の美術館、博物館見学
川崎市の美術館、博物館
研修も兼ねて川崎市の美術館、博物館を見学しました。今回訪ねたのは、川崎市市民ミュージアムという無料で色々見られる施設と岡本太郎美術館でした。岡本太郎美術館の近くには、川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアムもできていて、とても文化的な街と思いました。いずれも駅のそばではなく、程よく歩ける距離があって、よい散歩にもなりました。
川崎市市民ミュージアム
川崎市市民ミュージアムにて、「昔のくらし 今のくらし」という企画展を見学しました。過去から現在に渡って、日常的に見かけるようなものが多数展示されていました。
展示物をかなり間近から見られました。写真のように2次元ではなく、周囲をぐるりと回って背後や底の方からも見られたので、とてもわかりやすかったです。展示物は特に昭和のものが多いのではないかと思いました。炊飯で使われた羽釜、桶などのように完成され、誰が作ったというものでもないアノニマスデザインの製品のデザインが素晴らしい、と柳宗理さんの本に書かれていましたが、本当にそう思いました。そして、かつてのヒーターにきれいに描かれているような模様は、柳さんが言う、キンキンきらきらで醜悪なデザインというようにも見えるように思いました。
同ミュージアムにて、縄文時代から江戸時代にかけての川崎市周辺の移り変わりを見ました。川崎市の縄文土器や、江戸時代の川崎市辺りの宿場町の様子などが再現されているので、川崎市に縁の無い人でも歴史を学べて面白いかと思います。ここで、ガイド付きの見学ツアーが行われていて、とても勉強になりました。道祖神と呼ばれる石を積み重ねたようなものが、村の境界辺りに置かれ、魔除けのような意味を持っていたそうです。そういえば、こういうのを田舎で見かけていたと思いました。五穀豊穣を願って、雨乞いのために、竜、雷様、カエル、オタマジャクシをわらのようなもので作り、祭を行っていたそうです。それら祭の用品も飾られていました。竜はとても長く、立派でした。
岡本太郎美術館
再び電車で移動し、岡本太郎美術館に行きました。これまで、氏の作品をパッと見たとき、よく分からないと思ったことも少なくありませんでした。美術館で解説付きで幾つもの作品を観たところ、それらが生命力に満ちた、力強さを持ったものと感じられ、面白いと思うようになっていきました。
多数の本も書かれていて、簡潔で力強い記述は単純明快で、爽快でした。芸術家としての太郎さんも、文章を書く太郎さんも、本人としては区別がなく、一人の人間なのだというようなことを言っておられたようです。そういうものが絵の理解にも役だったようです。
氏はパブリックアートを多く手がけられたそうです。渋谷にある明日の神話だけではなく、とても多く、各地にあるのを鑑賞できました。現地にあるのが本物ならば、美術館にあるのは複製なのかと尋ねたところ、いずれも本人が制作したものだそうです。小さいものを作った後、次第に大きいものを作っていくという過程だったそうです。
氏の作品のみならず、多くの人の作品の展示もありました。特に福島第一のアートな模型は、不気味な迫力があり、人間の欲望が天罰につながったのかなと思われました。福島第一の件で前に「天罰」と政治家が発言して問題となったように記憶しておりますので、補足したいと思います。これは地元自治体だけでなく、東電や推進した国家や国民、原子力政策を進めてきた世界に課せられた試練であると思います。
入館したとき、最初によく分からない絵があって、失敗したかな、帰ろうかなと思ったのですが、帰らなくて良かったです! 帰るときには自分がエネルギーをもらって、とても元気になっていました。氏は数多くの作品を生み出していて、数も力だなと思いました。また多数のクリエイターの作品を観て、エネルギーをいただきました。
ショップのガチャポンにて、「若い太陽の塔」が出ました! 展示を見ていたときにこれはいいと思っていましたので、それが丁度出てラッキーでした。このシリーズに含まれている中で、僕の中ではベストなものが得られたと思います。