忘れられる権利
クローズアップ現代より。
ネット上にアップした情報が拡散され、残り続けることで、その人の社会的評価が著しく損なわれ続けることがあるようです。
ある人がTwitterにつぶやいた発言が2ちゃんねるのようなところで制裁を受け、氏名、生年月日、住所や、その人の写真など、あまり知られたくない個人情報がスレッド上にまとめられました。スレッドの参加者らは皆一斉にあざ笑い、誹謗中傷の輪になっていました。個人情報は他サイトにもどんどんとコピーされていきました。
こういった情報を削除しようとすると、管理者に依頼が必要ですが、2ちゃんねるのように管理者がはっきりしない場合もありますし、外国のサーバーに拡散したら、サーバーのある国の言語で管理者に依頼しなければならないことになります。
管理者に依頼すれば消されるかというと、発言には表現の自由があるため、管理者といえども自由に消せないということもあります。こういうときには、裁判所に申立書を提出して対応しなければなりませんが、とても手間と時間がかかりますし、対応が実施されるまでの間にも情報が拡散していきます。
スペインでは約10年前に自らが発信した映像を巡って、裁判がありました。膨大な数のサイトにコピーされているため、サイトの管理者に削除依頼ということではまったく効果がないからです。スペインの裁判所では結論が出ず、EUの裁判所で結論がでました。「忘れられる権利」(Right to Be Forgotten)が認められ、Googleのような検索エンジンでは検索結果から出ないようにしなければらならないし、最初に登録されたサイトだけでなく、拡散された先のサイトも対応しなければならないというものでした。守らなければ高額の罰金が科せられます。
人々の知る権利も守らなければならないし、忘れられる権利によってEUのIT企業が打撃を受けるかもしれないということで、これが浸透するとも限らないそうです。