オープンデータについてのクローズアップ現代の番組のまとめ
NHKのクローズアップ現代で、オープンデータが取り上げられていました。要点を整理しておきたいと思います。
官に求められること
- オープンデータは公共財であるので、有用なものは秘匿せず、公開すべき。現在の日本ではまだあまり公開されていない。
- 自治体によってデータのフォーマットが異なっているので、全国的なデータ収集が困難。フォーマットを統一すべき。
- 複数のオープンデータを組み合わせてもプライバシーが守られるようにすること。個人情報保護ためのルール作り。
民間企業に求められること
- 知恵を絞って活用すること。
活用事例
- 欧米では、どこでどんな犯罪が起こったかというオープンデータを活用し、作成した解析手法を使用して、どこでどんな種類の犯罪が起こるという犯罪予測を行っている企業あり。警察がそれを購入している。急成長しているそうだ。活用しているある警察署の話では、予測された地点に巡回することで犯罪の抑止効果が働き、犯罪率が20%減少したとのこと。
- 欧米では、不動産物件の選択に活用されている。客が知りたい場所の地域住民の教育水準や、近所の人々の情報などを見て、検討できるようになっている。
- 日本では、IT企業が介護のリハビリ施設のオープンデータを活用して施設の情報をシステムに登録し、システムに有料登録した施設側が空き状況やその他の情報を登録、更新するようなシステムが稼働中。あるケアマネジャーの話では、従来は各施設に問い合わせるなどして丸3日かかっていた施設の選定が、現在ではタブレット端末を利用して30分で完了するようになったとのこと。
- 天候予測を農業保険に活用。
プライバシー保護
- 米国では、オープンデータでプライバシーが明らかになってしまうとして近年、警鐘が鳴らされた。
- 日本のある市では、市の領域を格子状に区切った各区画ごとの住民数を公開しようとしたが、住宅がまばらな地域では、一つの区画に一つの家しかなく、人数から家族構成が推測できてしまうという問題が明らかになった。このため、地域住民を集めて話し合いをしている。プライバシーは守って欲しいという人がいる一方で、年配の方が多い地域ということが分かればそれに合わせた飲食店を出店できるのでそのような情報は公開して欲しいという人もいる。
- 一つ一つのオープンデータはプライバシーが考慮され、個人情報が秘匿されているものの、業者側は複数のオープンデータや、ソーシャルメディアの情報など独自に収集した情報を組み合わせる場合がある。そうすると、プライバシーとして守られるべき情報が分かってしまう場合がある。このため、個人情報保護のルール作りが必要。